第1章 マジックの3つの楽しみ方

みなさんはマジックと聞いてどのようなイメージを持つでしょうか?

タキシードを着たマジシャンがハトを出す?大きな箱に美女が入って半分に切られる?またはハンサムなマジシャンが行う華麗なカードさばき?手軽に始められるものから、大掛かりな舞台で行うものまで、そのどれもがマジックです。

マジックは19世紀の初めまでは、呪い師が行う占いや、大道芸人が人目を引くために行う怪しいものでした。しかしフランスのロベール・ウーダンがタキシードを着て上流階級の人たちのために劇場で演じるようになって、今日のようなエンターテイメントとして始まります。

折りしも時代は近代に入り、科学とテクノロジーの世紀になってきます。超能力や魔法などが今より信じられている時代から、科学で様々なことが解明されていく時代を経て、いまではマジックを演じてもそれが「怪しい力」で行われているとは思われなくなってきました。ロベール・ウーダンの時代よりさらにエンターテイメントとして認知されてきたのです。

今では手軽に楽しめる趣味として親しまれるようになりました。

3つのマジックの楽しみ方

マジックには大きく3つの楽しみ方があります。

1、見る楽しみ

やはり、マジックと言えば不思議なものが目の前で繰り広げられる面白さ!エンターテイメントとしてのマジックの本質とも言える部分です。

現代では魔法なんてものはない!と思われています。それにも関わらず、あり得ない出来事が目の前で起こる面白さ。

不思議を楽しめるのは人間だけである、と言われています。テレビやスマホの画面の中でなく、本当に目の前で不思議が実際に起こると、世の中にはまだ様々な可能性があるのだと思い知らせてくれます。

それは子供の頃に感じていた世界の面白さや、すごいことをする人間の可能性を真に迫って再認識できる体験です。ミステリーの面白さやパズルの面白さを感じる人もいます。それを考案し、実現してみせる人間の底知れない可能性も感じることができます。まるでこの世界とは別の世界がどこかにあり、それを垣間見られたような体験。

それはマジックでしか得られない面白さでしょう。

2,知る楽しさ

そんな強烈な面白さを与えてくれるマジック。実は、あなたにもできるのです。もう一度言います。

あなたにも、できるのです。

これって凄くないですか?本当にできるんですよ。

でもどうやって…?という方のために、様々な本や道具が販売されています。おそらく初心者の方が想像する1,000倍ほどの量の商品が出ていると思います。10,000倍くらいかもしれません(もちろんピンキリではありますが…)。

ごく単純な道具でも、そこにはタネと呼ばれる秘密があり、それを運用するコツがあります。

これを知ったときの「人間の脳はこんなことで裏をかけるんだ!」「こんなことを考えつく人ってスゴイ!」という驚きと知的好奇心の充足があります。

3、手を動かす楽しさ

マジックっを演じようとすると、そのためには練習が必要となります。でも構えないでも大丈夫!特に器用でなくてもできるマジックだってたくさんあります。もちろん、何度も指を動かして繰り返し練習しなければできないテクニックもありますが…実はこの練習が、大きな楽しみになることも多いのです。

だってやればやるほど不思議なことができるようになってきて、それを鏡やカメラの録画で確認できる。上手になる課程が目に見えやすいのですから。

カードやコインなどは、ハマったら現象を起こすことそっちのけで技法の練習だけしていることもザラ。その技法が上手になりたいという気持ちももちろんありますが、単純に手を動かしているのが楽しいんです。「いつでもどこでもコインを持って手を動かしている」なんて、マジシャンあるあるなのです。

……

以上、マジックをする上での3大面白さをあげてみました。

もちろん「見るのが楽しいから、タネは知りたくない」など、人によって各要素の好き具合は異なりますが、そのどれもが沼にハマる深さがあります。上級者になると、これに「考案する楽しさ」なども加わり、非常に底が深い趣味と言えるでしょう。

少しでも面白そうだな、と思ったらまずは簡単で安い道具からスタートするのが良いでしょう。

入門編としてはテンヨーさんの商品などがおすすめです。簡単にできるのに、バラエティに富んだ、相手に手渡しもできるクオリティの高いマジック道具がそろっています。

ネットでも面白いマジックの映像はたくさんあります。この時の注意は、手元だけ写している「現象やテクニックに主眼を置いて見せるもの」よりも、プロのパフォーマンス動画を選ぶこと。きっと、マジックというエンターテイメントの楽しさにハマってもらえると思います!

素敵なマジックライフをスタートしてください!