第6章 観客の頭の中を読み取る!?メンタルマジック

カードやコインなどの道具を手に取り、仕掛けや巧妙な(もしくは華麗な)テクニックを使って不思議な現象を起こす。そんなマジシャンらしいマジックとは全く別系統のマジックがあります。例えば「観客の考えていることを読み取る」「相手がこれから何をするか予言しておく」なんて現象。それがメンタル・マジックです。

メンタルマジックの面白い点はいくつかあります。

1,観客の常識に直接働きかけること
目に見える道具を使ってマジックを行うと、観客は「ああマジックなんだな(=何か仕掛けがあるのだな)」と思いますが、多くのメンタルマジックはマジックっぽさを出さず「本当に超能力があるのだろうか…?」と思わせられるマジックが多くあります。この違いは不思議を体験するという点で、ほかのマジックにはない圧倒的な力を発揮します。

2,なんといっても不思議。
扱うものは観客の頭の中。考えているものを当てたりするのですから、「できるわけがない!」と感じる度合いが非常に高くなります。そして指先の目に見えるテクニックはあまり使わないので、原理を知らなければどれだけマジックを知っている人でも不思議がらせてしまう力があります。

3,指先のテクニックをあまり使わないでいい
また器用さがそこまで求められないのも特徴。メンタルマジックはその他のマジックとは別系統のテクニックと考え方で行いますので、必ずしもここまで紹介したマジックを習得してきていなくても、始めることができます。

70年代から80年代にTVで見られるマジックといえば、舞台で手練の技を披露するステージマジックや、大がかりな道具を使い、人を消したり浮かせたりするイリュージョンマジックが主流でした。その流れは、90年代の後半から目の前で不思議を見せるテーブルマジックに変わっていきます。その後、イギリスのダレン・ブラウンなどの台頭により、それまでの見せ方とは全く違う、観客の考えを読み取ったり決定を誘導したりするショーが脚光を浴びます。これこそが、今回ご紹介しているメンタル・マジックです。

ヴァーバル・コントロール

観客の決定をコントロールするテクニック「エキヴォック」。メンタル・マジック界の巨匠、マック・メイヴェンによる本書は、今でもマジシャン必修の書として読み継がれています。マックス・メイヴェンの名作マジックを解説したビデオ・マインドシリーズと併せてご覧ください。

アンエクスペクテド

「マジックの用意を何もしていない状態で、何か演じなければいけなくなった」そんな時に威力を発揮する強力なメンタル・マジックが多数収録されています。

マインド・ミステリーズ

こちらはメンタル・マジックを大人数の前で演じるのに最適なマジック集。明るく笑いのある雰囲気の中で演じられるメンタル・マジックはどれも傑作揃いです。