現象の起こる過程が見えるトライアンフ
カードマジックの傑作トライアンフ
天才ダイ・ヴァーノンがこれを発表してから、多くのマジシャンたちがバリエーションを考案してきました。スートがすべてそろって表返るもの、混ざった状態をスプレッドで見せるもの、乱雑に混ぜるもの、テーブルを使わないもの、はてはカメラで撮影した画像の中でだけ現象が起こるものまで、原案になかった新しい要素を加えようと本当にたくさんのマジシャンたちが挑戦しています。観客から見た印象はほとんど変わらないものの、マジシャンにとっては従来は不可能だった見せ方を様々に工夫できる、非常に魅力的なプロットです。
今までに無かった現象
スペインのキコ・パスツールが考案した今回のトライアンフも現象自体は同じです。デックを表裏バラバラに混ぜるが、カードの向きはすべてそろい、観客の引いたカードだけが表返っている。しかしその見え方は、まさに今までに無かったものなのです。
・バラバラに混ぜた状態をリボンスプレッドで示す。
・その上を手でなぞると、なぞった端から向きがそろっていく。
・なぞり終えるとカードの向きはすべてそろっており、観客の引いたカードだけが表返っている。
デックは揃えてしまうとトップしか見えなくなりますが、トライアンフは中の状態に焦点が当てられるマジック。カオス・オブ・トライアンフではその中の状態を常に示し、示したまま現象を起こしてしまうという、この路線ではこれ以上の形が考えられない、いわば“究極の形”といって良いバリエーションでしょう。
実演したもの以外にもいくつかのバリエーションとアイデアを解説してお届けします。
Tsugumi –
衝撃的なトライアンフでした。出来たら本当に魔法使いにでもなれそうなぐらい衝撃的です。
しかし、トライアンフの準備から、現象を発生させ、その後の処理に至るまでかなり難しいので、テクニシャンな方には非常にオススメだと思います。