みなさんこんにちは。スクリプト・マヌーヴァ代表の滝沢敦です。
私はスクリプト・マヌーヴァを始める前は、マジック・バーでマジシャンとして活動していました。そこでマジシャンならおそらく誰もが思うとおり、「自分にしか出せない魅力」に溢れた「感動を与えられる演技」がしたい、と思っていたのです。
私が面白いマジックを見たときに感じる興奮とは、例えば良質の本や映画に触れたときと同様に自分の中の何ごとかに触れて、感情を大きく揺さぶってくれるもの。しかしマジック・バーで借り物の手順になけなしの”自分らしさ”をまぶしたような演技をしていた私にとって、そのレベルにまで行くには“新しいマジックを覚えてたくさん練習する”だけでは超えられない壁の存在を感じていました。
壁の存在
その時やっていたことの延長線上に求める演技が無いことは、私よりもずっとマジックを知っていて、テクニックも素晴らしいのにまったく面白くない演技をする人をたくさん見てきたことからも予想が付きました。観客の心に何かを残す演技がしたければ“新しいマジックを覚えてたくさん練習する”以外のアプローチが必要だったのです。マジックはいくら不思議でタネが追えなくても、それだけでは不十分なのですから。
壁を越えるために
これは現場で働くマジシャンが遅かれ速かれぶつかる壁のようです。この壁を超えることが、マジックを“できる”ようになった人たちの次のステップなのでしょう。
この壁を乗り越えるために、スクリプト・マヌーヴァではいくつかの書籍を出版してきました。
ここに紹介しているのは、そのアプローチを考えるきっかけとなる書籍です。この本たちは、あなたのレパートリーを(あまり)増やさない代わりに、他では得られない、演技の質を高めるきっかけを与えてくれるでしょう。
現場に立ちふさがる壁をのり越え、借り物の演技しかできない自分の殻を抜け出して「自分にしか出せない魅力に溢れた演技」ができるマジシャンが増えてくれることを願っています。