マジシャンになりたいティーンエイジャーとそのご両親へ
自分の子供がマジシャンになりたいと言っているが、それは大丈夫なのか?と心配するご両親へ。この二者に向けてジョシュア・ジェイが書いた本がこの『アンダー/オーバー』です。若くしてこの業界に足を踏み入れた彼ならではの、体験と現実的な悩みに基づくアドバイス集です。
彼はこれを無料配布していますが、そのスピリットにならい、日本語版も無料で公開いたします。
以下にジョシュア・ジェイの言葉を引用します。
もともとの企画はシンプルでした。若いマジシャンのためのマニュアルを書き、それを無料で配布するというものです。マジシャンになるのは難しいことですが、それを言うならティーンエイジャーでいることだって簡単ではありません。しかしその二つが組み合わさると、そこには非常にユニークなチャンスとチャレンジが待ち構えているのです。私が書いたこの本は、それを形にしてみせたものです。私はこれを真剣にマジックをやろうとしている若者に向けて書きましたが、書いてあるトリックやアドバイスはもっと上の年齢の人やより経験を積んだマジシャンにも役立つものと思っています。
若いマジシャンたちへ。
観客は一目見て否応なく、あなたが若いことに気づいてしまうでしょう。 「まだ学校に行ってる年じゃないの?」とささやく女性がいるかもしれません。その旦那さんは「あまり期待しない方がいいかもなあ」と答えたりするのです。この本の前半部分は“アンダー”(18歳以下)向けであり、その年齢へのあらがい方ではなく、活かし方について書かれています。
後半の“オーバー”は、あなたたちのご両親に読んでもらいたい部分です。とはいえ若い人たちにも読んで欲しいのですが、私は子供を案じる親御さんからの手紙をよく受け取るのです。いわく「これは息子のためになる趣味なのでしょうか?」とか「娘はマジシャンになるには若すぎると思うのですが…」といった内容です。「これで本当に食べていけるのでしょうか?」なんてものもありました!私はあなたの味方であり、この本ではマジックの世界に関してあるがままの姿を伝えています(大丈夫、マジックコンベンションに参加するために学校を休んでいいとかも書いていますよ!)
この本では私が長年にわたって最もよく受けた質問に、できるだけ正直に答えました。しかし一つだけ、答えてあげられない質問があります。それは 「私はマジシャンになるべきでしょうか?」というもの。これに即答できるようでなければ、あなたはマジックに対して真剣ではないのでしょう。それはそれで悪いことではありません。マジックは万人向けのものではないのですから。
若い人たちのほとんどはある種の動機からマジックを始め、そして辞めていきます。例えば単にタネを知りたいから、知れば簡単にできると思うからなど。女の子の気を引くためだけに始める人もいます。もしくはクールな道具に魅了されたとか。しかし、これらの欲求はすぐに満たされなくなります。そして使わないマジック道具を置くスペースは限られているので、そういう人たちの大半は、彼女ができたりバスケットボールに夢中になると消えていくのです。しかし、マジックが与えてくれるものの本質に惹かれる人もいて、そういう人たちがこの道に留まるのです。
私がマジックを始めたとき、周囲には大きな労力を割いてサポートしてくれた家族や友人、そしてマジシャンたちがいました。その誰もが無償で力を貸してくれたので、私も同じ事をしょうと思います。数年後には、あなたも熟練した大人のパフォーマーになるでしょう。そしていつか若い人があなたにアドバイスを求めてくるようになるでしょう。そのとき、あなたも自分が学んだことを彼らに伝えてあげてください。この本が、その良い前例となることを願っています。
ジョシュア・ジェイ
レビュー
レビューはまだありません。