自分のマジックがみるみる変わる 実践演技理論
こういう不思議さを出せるようになりかった
まったく同じ手順を行っても、アマチュアとプロでは不思議さが違うことがあります。本当に力のあるマジシャンが演じると、知っている手順でも何故かひっかかってしまう、そんな体験をしたことはありませんか?テクニックに差があるわけでもない、自分の知らない道具や技法を使っているわけでもない、それなのにどういうわけか引っかかってしまう。自分とその人では何かが違う、でもそれは何なのだろう…?
どうやら本当に不思議なマジックには、タネや仕掛け以外に大切な「何か」が必要なようです。でもそんなことは普通のマジック道具の解説書やDVDでは説明されていません。
タネや仕掛け以外に大切な「何か」
多くのマジシャンが知りたがる「何か」。その正体がここに書いてあります。
驚くことに、その「何か」はそこまで難しいことではありません。ちょっとしたことだったりするのです。でも、そのちょっとしたことを確実に遂行するのとしないのとでは結果に大きな差が出る「何か」。知っておくだけで、意識するだけで自分の演技が劇的に変わる「何か」。マスターすれば経験豊富なマジシャンでも引っかけてしまえる「何か」。
この「何か」を身につけられるとしたら、いったいどれだけの事ができると思いますか?
読んでいない人を置き去りにする破壊力
著者であるホアン・タマリッツは現代の名人と言われ、知識豊富なマジシャンであっても引っかけてしまうマジックを次々と演じてしまいます。ハチャメチャな演技とは裏腹に緻密な理論派としても知られる彼が書いたこの理論書は、1982年にスペインで出版されてから、今なお世界中のマジシャンに絶賛され、必ず読んでおくべきバイブルとして数えられています。2012年現在、スペインは世界のクロースアップ界の10年先を行っていると言われます。そのマジシャンたちが基礎として修めている知識が、ここにあります。
この本にはミスディレクションの他にも、観客と気持ちを繋げるための技術やマジカルな雰囲気を作り出すための考え方が5つのポイントにまとめて解説されています。ポイントを解説した後には、各章ごとのポイントを体現したマジックも紹介。その解説は手順の説明にとどまらず、各章のポイントを表現するためにすべきことが事細かに説明されています。
Tsugumi –
出来るマジックが増え、何となくマンネリ化した方に是非手に取ってもらいたい本です。ひたすら出来るマジックを増やしてしまいがちですが、今一度1つ1つのマジックを見直してみては如何かなと思います。そのために必要な知識がこの本には書いてあります。
バブルくん –
届いた瞬間、高いなぁ…と思った自分が情けなかったです。この一冊で自分の演技と向き合うきっかけをもらいました。世界トップレベルのタマリッツ氏の演技の秘密を少しだけ自分のものにした感覚です。声についてとても参考にさせていただきました。自分は声、喋りに不安要素があるので…トリックを求める人にとっては高いと感じるかもしれませんが、1マジシャンとしてこれは読んでおくべきでしょう。本当に必要な一冊でした。
じゅげむ –
一つのマジックをいかに表現するかという命題に焦点をあてた書籍です。目新しい理論・メソッドや目が回るような超絶技巧についてではなく、むしろ一見すると「当たり前」にすら映るような基本的・古典的な理論について、そしてそれらを用いた演技・演出方法が解説されています。
一見すると「当たり前」な内容ではありますが、では自身がどれだけそれらを自覚し、意識し、実践できていたかと聞かれると、「私は完璧だった」と答えられる人は皆無なのではないでしょうか。ある程度の経験を積んできた人こそ一読すべき内容だと思います。
抱富満 –
ちょっとした無駄な動きを気にしない人。何気ない癖で相手に不快感を与えてしまう人。結構いるものです(他人の事は言えませんが)。たとえ些細な事であっても観客の体験・印象は大きく損なわれてしまいます。曇りないプレゼンテーションで、観客に最大限の体験をしてもらうには、こういった細かい視点が重要なのだとつくづく感じました。
LL –
スペインマジックの基礎を作り上げたタマリッツが、その最大の秘密を明かしてくれます。
タマリッツが使う原理には特別新しいものや、超絶技巧などがあるわけではなく、むしろクラシックなプロットが多いのにも関わらず、なぜあれだけ不思議なのか、と考えると「不思議さのプレゼン」がいかに強力な武器であるかがよくわかると思います。
その点をもっとも正確に端的に書いている本でしょう。特に、声、目線の章は必読です。
これを読んで以来、人前でマジックを披露する度に、自分の演技が変わったことを感じます。間違いなく役立つ本でしょう。
太郎 –
ある程度マジックをやっている人ならトリックは何度か観れば追える物だし、練習すれば自分でもできるようになります。
ですが演技の部分は他人のうまい下手はわかってもどうすれば自分の演技が良くなるのかっていうのはわからない人が多いと思います。
そんな人には演技に大事な5つのポイントを示してくれるこの本はおすすめです。
それぞれのポイントで具体的に何をすればいいのか、またなぜそうするのか、筆者は抽象的にどうとらえているのかを示してくれます。
続編が楽しみです。
yuki –
マジックのプレゼンテーションの質を高めるにはどのようなことに注意する必要があるかについて書かれています。読んでいて面白いですし、勉強になります。ただ、実践用に書かれているマジックが、少々準備が必要なものや、難しいマジックもありました。
Benjamin –
写真や筆者による独特な図解を交えた非常に分かりやすい解説です!
本書を読んだ後は常にファイブポインツを意識するようになり、マジックのみにかかわらず、大衆の目を引く場面でもこれを参照にするほど印象深かったことを記憶しています。
シギ –
スペインの名人ホアン・タマリッツ氏の作品の翻訳本。こちらの本では題名通り5つの事(ファイブポインツ)について言及。視線や声の出し方等意外に皆さんが意識している様であまり理解していない部分をタマリッツ氏がしっかりと解説。また所々そのポイントに合わせたマジックの解説もあり、そちらもとても参考になります。
din –
トリックを増やすのではなく、一つのトリックを演技そのものを探究する。これはマストハブな一冊です。