全てのプロ・マジシャンが知っておくべき演技と自分の作り方
「自分にしかできないステージ・アクトを作りたい」
この欲求は、プロを目指している人やコンテストで上位を狙う人はもちろん、「普通以上」のアクトをしたいと思っている人ならば誰でも持っているものだと思います。しかし実際にはこれほど難しいこともありません。
- どのマジシャンも似たようなマジックをしている
- みんな同じような格好で演技している
- どこかで聞いたことのあるBGMを使ってる
そう思ったことがある人は少なくないのではないでしょうか。クリエイティブでなければならない、オリジナリティがなければいけない、そんなことは分かっている、でもそうなるためには一体どうすれば良いのか?
世界大会で多数の受賞者を輩出している指導者
多くのマジシャンがこの問題に悩んでいるときに、独自の理論と指導を通して、どんどんオリジナリティに溢れたマジシャンを創り出して来た人物がいます。それがドイツのエバーハード・リーゼ。プロのパフォーマーではないため日本での露出は少ないのですが、マジックの教育者として世界的に有名な人物です。ドイツが世界中の大会で受賞者を多数輩出する要因となった人物であり、FISMでグランプリを獲得したフランクリンやトパーズらを長年に渡り指導してきたのも彼でした。
そのエバーハード・リーゼが長年の指導経験をもとに「自分にしかできないステージ・アクト」の作り方を1冊にまとめたのがこのファウンデーションズです。
自分だけに合う、自分ならではの、自分にしかできないアクトの作り方
アイディアの出し方、アイディアの練り上げ方、チームでの取り組み方、キャラクターの作り方、扱う素材の選び方、そして何よりも具体的にそれを実現させる方法。この本では「自分にしかできないステージ・アクト」の作り方について上記のような様々な要素を整理し分析し、読者自身に適応させていく方法を解説しています。その他にもセリフの組み立て方や照明の工夫の仕方、ショーの構成の仕方など、今まで知りたかったのに勉強のしようが無かった内容が、豊富な実例と共に解説されています。世界中で読まれてきたこの本を、ついに日本語訳でお届けします!
著者はこの本の中で「古いイメージを脱ぎ捨てろ」と言います。「面白くないものはすべて捨ててしまえ」と言っています。そんなことは分かっている、と思いますか?では具体的にどうすれば良いのでしょうか?
その答えはあなた自身の中にすでにあり、この本はそれ探し出す絶好のガイドです。エバーハード・リーゼの指導を通して、多くのプロマジシャンたちが「自分だけのアクト」を創り出して来ました。あなたも世界で1つだけの、観客が感動するような、あなただけのアクトを作ってください!
Kenmei –
マジックを演じるための心構えや精神論を語る分野をメンタルトレーニングとし
演じるための技術(衣装・音楽・照明もろもろも含めた)開発、キャラクタライズする方法、グループワークのアプローチを
マジシャンにとってのフィジカルトレーニングとするならば、
本書は間違いなくフィジカルトレーニングを行うための指南書であり、
生(ライブ)の観客をエンタテインするためのバイブルというに相応しい。
キャラクタライズされたマジシャンという役を瀟洒に着こなす術が所狭しと具体的に記載されている。
ネタを創るアイデアが生み出される術が写真付きで解説されているのには強力な説得力があり、
当該書籍の前半部分の「前置き」と第一段の「夢を描く」というパートは演者のみならず、アシスタント、
照明、衣装、脚本家、音響とマジック・ショーに携わるすべての人が必読であると強く感じた。
また、私はブレインストーミングに対して抵抗がかなりあったが、著者のエバーハード・リーゼは
まさに反対派である人間の理由を一言参考文献から述べている。
その上で、失敗しないブレインストーミングの基礎固めに対し非常にロジカルに書かれていたのも感動した。
このパートを読んだとき、SEMで世界のトップに君臨するキーエンスの開発部の話を思い出した。
キーエンスの有名なSEMを開発したグループワークはわずか5~6人だったと人事から以前伺ったが
エバーハードリーゼは失敗しないブレインストーミングとグループワークはまさに5人が最も適していると謳い、
その人材も具体的にこういうスタッフで固めていくことが作品を作る要だと主張しきっているのも心強い。
一方でドイツの童謡などの世界的には周知だが日本では知られていない我々から見れば「ご当地ネタ」の話が多く、
初出の際戸惑うと思いきや訳者による当該ワードにまつわる詳細な解説が各ページに散りばめられているので著者が言いたいことが
鮮明に伝わってくる懐の深さも必読に挙げる理由の一つ。
当方、数百のマジック関連のDVD、書籍を新旧問わず見てきた身であるが
久しぶりにおススメの本に巡り合えたと率直に感じた本でした。
抱富満 –
マジシャンの個性に合わせて、いくつものステージアクトを作り上げてきたエバーハード・リーゼの、唯一無二とも言える解説です。新しい知見を授けてくれるだけでなく、自分の中のもやもやとした感覚をスッキリ整理させてくれるような言葉が随所に出てきます。多くのマジシャンが指導を仰ぐのも頷けます。とにかく、視野が広くなり、思考がスッキリする本です。おすすめ。
cm –
実際に世界レベルのマジシャンを育てている筆者の理論は非常に説得力があり、ルーティン作りに詰まった時は大いに助けになりそうです。
単にオリジナリティ溢れる演技がしたいという人から、自分のルーティンの細部を詰めたいという人まで、幅広くオススメです。
シギ –
こちらは主にステージマジックについての理論書。ステージについての理論書は多くないので持っているととても参考になります。主にはオリジナリティを作る為にどうすれば良いのかについてふんだんに解説。
またステージでのキャラクターの例や音楽の選曲について、照明の事等を写真も交えて解説。こう言った物が解説されている物は本当に珍しいのでコンテスト・アクトを考える上で持っていると役に立つと思います。値段が張りますがそれに見合う価値がる一冊