一流が実践しているマジックのアイデアの引き出し方
アイデアの引き出し方、表現力の付け方
タイトルの「ビヨンド・デセプション」とは、「『騙す』という段階を越えて」という意味です。
スクリプト・マヌーヴァでは、パフォーマーがより自分の力を発揮できるようになるためのツールをこれまでいくつか発表してきました。今回の書籍も、そんなタイトルの中の一つですが、今回のテーマは「アイデアの引き出し方、表現力の付け方」です。
・どんな現象を作ったら面白いか
・どんな演出なら現象が引き立つのか
・それを可能にする表現力をどう身につけるか
マジシャンはこれらを自分で考え出さなければいけないわけですが、どんな知識や考え方を学べばその力を伸ばすことができるのか分からない、という方は多いのではないでしょうか。また、もしそんな方法があったとしても、クリエイティブにアイデアを考え、それを表現できるのは才能のある人だけだ、と思い込んでいる人もいるのではないでしょうか。この本は、決してそうではない、と言い切ります。
僕はクリエイティブなタイプじゃないから」という考えは一切捨ててください。人間である限り、あなたはクリエイティブなのです。過去に何をしてこようと、何を言われていようと、 それに変わりはありません。単にクリエイティビティを刺激できるツールを持っていなかった だけです。本書で解説しているエクササイズやテクニックこそが、そのツールなのです。(本文109ページより)
この本では「アイデアが沸かない自分」を「クリエイティブな自分」に変える考え方と、それを魅力的なアクトに仕上げるのに必要な表現力を高める、数々のエクササイズを解説します。
これだけマジシャンが増え、また次世代のスターが待ち望まれている中で、どうすれば我々はより高みに、よりオリジナル性に富んでより芸術として尊重されるものを作り出せるのでしょうか。(中略)もしあなたが自分だけの特別なマジックを作り出したくてたまらないのであれば、これこそあなたが読むべき本です。この本は、自分の能力への考え方を変えてくれるでしょう。より高みに挑戦する気を起こしてくれるでしょう。怖れや失敗なしに自由に創作ができるように、二度と「そんなことできない!」なんて言わないように、そして挑戦が楽しくなるようにしてくれるのです。(中略)あなたが探しているのが新しいアイデアの発見や閃きの獲得ならば、もう他の場所を探す必要はありません。
ボブ・フィッチ
そのノウハウを書いているのがどんな人物なのか?
著者であるトビアス・ベックウィズ氏は、日本ではあまり馴染みがないかも知れませんが、次のような経歴の人物です。
・元俳優兼舞台マネージャー
・『スィーニー・トッド』などの有名ミュージカルを製作、運営
・大学やセミナーで俳優の育成に従事
・マルコ・テンペストやジェフ・マクブライドらとクリエイティブ・チームを組んでいる
・ユージン・バーガーらとともにラスベガスのマジック&ミステリースクールで講師を務めている
マジシャンには、マジックの知識だけではなくパフォーマーとしての表現力が必要です。必要だ必要だと言われ続けていたにも関わらず、これまでその身に付け方を教えてくれるものはほとんどありませんでした。『騙す』という段階を越えて、パフォーマンスのアイデアを次のステップに進みたい人へ!
さいとゅーん –
新しいマジック、自分のマジックを作りたい。そう思う方は多いと思います。事実僕も独創的なマジックのアクトを組みたいと思っていた所なのでどうやってマジックのインスピレーションを得るのかが知りたかった所なのです。新しいマジックを作る以外にもマジシャンの演技例等も入っていて分かりやすかったです。自分のマジックの幅が広がったきっかけになりました!